キスしようとするとトリップするのやめてもらえませんか
第1章 はじまり
再びドアを開けて登場したらしい、この部屋の主。
顔を上げて見ていないので声しか聞いてないけど、こんなお色気ボイスは1人しかいない筈。
「うおっ、跡部!なになに女の子連れ込んでんの!?羨まC〜」
「おまっ、俺たちが居るのにナニしようとしてんだよっ」
「し、宍戸さんっ、は、鼻血が…」
「ほ〜ええ脚してるやないの、俺に譲ってくれへん?」
「侑士…お前ホント変態だな…引くわ」
「跡部さん、俺たちが居るのに女性を連れ込むなんてそんなに欲求不満なんですか?」
「…」
「お…お前ら…好き勝手言ってくれんじゃねーか…あーん?」
な、なんなんだ…声のバリエーションが広過ぎるっ…そして素敵過ぎるっ…!
って…待って、冷静に考えろ、なんだか聞いた事のある声に聞いた事あるネーミング…え…ちょっとだけ、ちょっとだけ覗き見させ…
誘惑に負け少し顔を上げて前髪の隙間から声の主達を覗き見る。
…数秒間フリーズ。
だって、目の前になんとも完成度の高いレイヤーさん達の集まりがいたんだものっ!!
気持ちが昂り、いてもたってもいられなくなって思わず顔をガバッと上げて彼等をガン見する。
「ぅおっ、ちょっ、あ、アイツなんか俺等の事すげー見てんぞっ」
「ホンマやなぁ〜えらい美人さんにそない見つめられるとこう…ムラっと…」
「オイ、お前なに者だ?
こいつ等の反応からして、こいつ等がやったとも思えねぇ。
お前…何処から来やがった」
す、凄いクォリティだ…見た目も完璧、口調も声も完璧…そして部屋のセットまで…!!
なんの撮影なんだ…こんな豪華なセットを用意出来るんだ、きっと有名な方々なのだろう。