第12章 ※盛夏・残更の法悦※
キリカの胎内は愉悦の炎に熱く蕩けていた。突き上げる毎に柔らかく、そして、淫らに絡み付く。吐精を促すように。
「お前は・・・・」
低い呻きと共に、指先をキリカの花弁へと伸ばした。恥戯にすっかり固くなった蕾をしっかりと捉える。
「・・・・っ」
指の腹で敏感な蕾を小刻みに叩かれ、キリカは鋭く息を呑んだ。じん、と痺れるような疼きが四肢の隅々まで駆け巡っていく。
「ここも・・・、弄られるのが・・・、好きであったな・・・」
黒死牟の果てなき情欲に満ちた低い声音がキリカの耳朶を震わせる。まるで、耳まで犯されているようだ。
「んぁっ・・・、は・・・ぁっ」
「また・・・、溢れ出てきた・・・、身体は・・・、正直だな・・・」
「んんっ・・・、あぁっ・・・、はぁっ・・・」
濡れそぼつ蕾を執拗に弄られ、キリカは狂おしく喘いだ。自らの胎内の奥で、蜜が生まれるのが分かる。
「良い声だ・・・、もっと聞かせろ・・・、私を欲しがれ・・・」
「あっ・・・、巌勝様・・・っ」
切なげに濡れた眼差しで黒死牟を見つめた。胎内と蕾。同時に与えられる、技巧を極めた愛撫がキリカを絶頂へと導いていく。
「・・・っ、もっと奥まで・・・、くださいっ・・」
「よく言った・・・、キリカ・・・、望み通りにしてやろう・・・」
言って、更に奥へと捩じ込むように突き上げた。胎内を蹂躙され、キリカの腰も止まらない。互いを煽り立て、貪りあい、そして。
「あっ・・・、あぁっ、ああんっ」
キリカの胎内で愉悦の炎が勢いよく弾ける。悲鳴じみた嬌声を張り上げ、キリカが昇りつめた。
「・・・・っ、・・・・はぁっ、・・は・・・ぁっ」
倒れこんできた身体を黒死牟が抱き止めた。忘我の境地をさ迷うキリカは荒く息を継ぐのみ。
「・・・キリカ」
蒸された背に張り付く髪を退けてやると、その身体をかき抱いた。キリカも甘えるように黒死牟の胸板に頬を擦り寄せた。
「・・・・」
触れ合った場所から鼓動が聞こえる。力強い鼓動。慣れ親しんだ、その音を聞くと訳もなく安堵した。