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月神の恋人 【鬼滅の刃 黒死牟 R18】

第5章 ※雨の蜜夜 とこしえの契り※


「それだけか・・・」

「いっ、いつから起きていらしたんですか?」

キリカの声が跳ね上がった。寝ていると思ったのに。何て大胆な事をしてしまったんだろうと後悔した。

「ずっとだ・・・、鬼は・・・睡眠を必要とせぬ・・・」

「そうなんですか・・・。けど、起きているなら、そう言ってください!」

「許せ・・・、お前が何をするか気になって寝たふりをしていたのだ・・・」

語気を強め、抗議をした。が、涼しげな表情の黒死牟に軽くかわされてしまう。

「キリカ、お前の口付けは初々しくて、なかなか良かったぞ・・・」

そればかりか更に羞恥心を煽られ、何も言えなくなってしまう。

「もう一度するか・・・」

問いかけられたが、キリカは俯いてしまった。それを肯定と受け取った黒死牟はキリカの夜着の袷に手を掛ける。

その時だった。キリカの腹が鳴った。

「も、申し訳ありません。昼間から何も食べていなくて。でも大丈夫です。我慢できますから・・・」

あまりの情緒の無さにキリカは泣きそうな声を漏らした。

黒死牟は面食らった顔をしていたが、そのうちに低く笑い始めた。

「笑わないでくださいっ。恥ずかしくてたまらないんですから」

「悪かった・・・。お前らしくてよい・・・」

キリカの頭をくしゃりと撫で、黒死牟が立ち上がる。袴着を引っかけた。

「そこで待っていろ・・・。何か食べるものを持ってきてやろう・・・」

「お願いします・・・」

黒死牟の気配が遠ざかっていくのを確認すると、キリカは座り込み、頬を両手で覆った。

(巌勝様、呆れてしまわれたかしら・・・)

大きな溜め息をついている間にも、再び、腹の虫が鳴った。食事は朝、食べたきりだった。確かに空腹だったとは言え、何と緊張感のない腹だろうか。



ややあってから、黒死牟が膳を持って部屋に戻ってきた。好物ばかり並んでいて、キリカが嬉しそうな笑みを浮かべた。

「いただきます」

正座し、行儀よく料理を平らげていく。どれも美味しくて、キリカの頬が綻んでいく。

「美味いか・・・」

「はい。とても美味しいです」























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