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月神の恋人 【鬼滅の刃 黒死牟 R18】

第5章 ※雨の蜜夜 とこしえの契り※


「ここにいたのか・・・、キリカ・・・」

最初、キリカは聞き間違いだと思った。黒死牟に会いたいがあまり、幻聴が聞こえたのだと。

「黒死牟様・・・・」

はっとして顔を上げる。目の前にいるのは、誰よりも愛しい、その人。会いたかった、その人。

「・・・・っ」

わっ、と声を上げながらしがみついた。黒死牟はキリカの体を抱き止めると、腕に力を込めた。強く抱き締める。

「・・どうして、ここが・・」

「何かあったら呼べと言ったであろう・・・」

「ですが、今は・・・」

確かに呼んだ。けれど、今は雨が降っているとは言え、昼間。太陽の光は鬼の弱点のはず。危険を犯してまで、助けに来てくれた。

胸に熱いものが込み上げてきた。涙が堰を切ったように溢れ出す。

「雨だから大事ない・・・。お前は無事か・・・」

問いながら、キリカの顔を覗き込んだ。肩や腕に触れ、異常が無いか確かめる。

「私は何ともありません・・」

「それなら良かった・・・。人間に見られたら厄介だ・・・。行くぞ・・・」

黒死牟は心底、安堵したような吐息を漏らすと、刹那、険しい視線で周囲を伺った。人の気配がない事を確認すると、キリカを横抱きした。

「少々、飛ばす・・・。しっかり掴まっていろ・・・」

「はい」

首筋に手を回し、顔を埋めた。嗅ぎ慣れた、黒死牟の香の匂いがする。

(本当に来てくださった・・・)

感極まり、涙が再び溢れ出そうになる。目を閉じ、指先に力を込めた。離れぬように、強く。

黒死牟がキリカを抱き抱えたまま、駆け出した。風を裂くように速く。

寸刻の後、二人は屋敷の中にいた。

「そのままだと風邪を引く・・。まずは風呂に入ってこい・・。話はそれからだ・・」

黒死牟に促され、キリカは黙って浴室に向かった。その弱々しい後ろ姿を見て、黒死牟は思い切り抱き締めてやりたくなる。が、今は雨に濡れたキリカを何とかしてやるのが先だった。


「キリカ、此方へ来い・・・」

風呂から出てきたキリカを自室に招き入れ、自身の前に座らせた。

「髪は乾かしたか・・・?」

黒死牟の指がキリカの髪に触れた。優しい感触に、堪えきれず、キリカが大きくしゃくり上げた。

























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