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月神の恋人 【鬼滅の刃 黒死牟 R18】

第13章 ※宵の宮・雨月夜の契り※


気遣わしげに問われ、キリカは慌てて目頭を指で擦る。

「そんなに擦ったら・・・、目蓋が腫れてしまうであろう・・・」

キリカの指をそっと退けると、盛り上がりかけた涙を丁寧に払う。

「まったく・・・、お前はすぐ泣く・・・」

「・・・っ、泣いてなどおりません。巌勝様が・・・」

「私が・・・、如何したと言うのだ・・・」

涙を拭ってやりながら尋ねた。宥めるように優しく。

「・・・不安なのです。さっきだって巌勝様を見ている女性がたくさんいました・・・。隣には私がいるのに・・・」

小さくしゃくりあげながら、キリカは言葉を続けた。

「・・・もっと綺麗な女性が現れたら、貴方はそちらに行かれてしまうのではないかと。もし、そうなったら私は・・・」

望みはただひとつ。ずっと、この方の側にいたい。それだけなのだ。

ぽろぽろと、大粒の涙を溢した。堪えきれない思いが涙に変わったようだ。

「何を馬鹿な事を・・・。私が・・・、そのような事をする訳が無かろう・・・」

「ですが・・・」

「キリカ・・・、いい加減にせぬと・・・」

言って、キリカの身体をかき抱いた。折れんばかりに力強く抱き締める。

「お前を愛している・・・、ただ一人、お前だけを・・・」

「巌勝様・・・」

「言葉だけでは足りぬと言うのなら・・・」

キリカを抱き上げた。褥へと連れていく。

「この雨では・・・、外に出れぬ・・・。覚悟する事だな・・・」

真っ直ぐ見つめたまま発せられた声は何処までも艶やかで、そして心地好い。

(私も貴方だけです。お慕いしております・・・)

覆い被さってきた黒死牟の背に腕を回した。もて余すほどの愛おしさを込め、更に引き寄せる。

(巌勝様・・・)

永遠に、貴方の側に。願いながらキリカは目蓋を閉ざした。















































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