第13章 ※宵の宮・雨月夜の契り※
「あぁっ・・・、はぁんっ・・・」
身体の芯が熱い。キリカの悩ましく腰がくねった。時おり、声とも吐息ともつかない声が掌の隙間から溢れる。
「・・・っ・・・」
人差し指と中指の半ばまでを花弁に沈めると、黒死牟は緩く掻き回した。時折、哭き所に軽く触れてはキリカを翻弄する。
「なかなか頑張るではないか・・・。それとも、この程度では足りぬと申すか・・・」
「んんっ・・・」
ふるふると首を振ると、キリカは黒死牟を見つめた。拒むような仕草とは裏腹に、双眸の奥には明らかな快楽の色。嗜虐心を刺激するような艶かしさを湛えていた。
「そうか・・・、足りぬのだな・・・」
「・・・・!」
意地悪く囁いた黒死牟の六つ眼が鈍い光を帯びた。指を奥まで進める。哭き所を捉えると、指の腹で執拗に擦りあげた。同時に、わざとらしく音を立てるように胸の蕾を吸う。
キリカが、いつ、音を上げるか。そして、そこに至るまで、どのように攻めようか。想像しただけで身体の芯が震えてくる。
「・・・はぁっ・・・、んっ・・、やぁっ・・・」
じんと痺れるような疼きが四肢に走る。堪らず、声を発してしまった事に気付き、キリカが羞恥に身を火照らせた。
「悦い声だな・・・」
「・・・、・・・」
唇の端に刻まれた笑みは何処までも意地が悪い。キリカの身体の事は知り尽くしている。どうして欲しいかなど、すべてお見通しだった。
「遠慮をするな・・・、皆に聞かせてやれ・・・、お前の可愛らしい声を・・・」
キリカの口許に宛がわれていた掌を外す。あわてふためいたキリカが再び掌を宛がおうとするのを難なく封じた。
「私に・・・、逆らうのか・・・」
妖しく輝く六つ眼で、じっと見据え、口付けた。
最早まとわりつくだけとなっていた薄物を脱がせる。
「もっと可愛がってやろう・・・」
黒死牟はキリカの脚を大きく割ると、付け根に唇を当てた。尖らせた舌先をゆっくりと滑らせる。
「あ、あぁっ・・・」