第13章 ※宵の宮・雨月夜の契り※
「はぁっ・・・」
口付けは長く、激しかった。唇を解放されたキリカが熱い吐息を漏らした。
「・・・・・」
再び、腕を黒死牟の首に回した。潤んだ眼差しを向ける。二人は、しばし見つめった。互いの全てが愛おしい。
「キリカ・・・」
黒死牟はキリカの頬に軽く口付けると、唇を首筋に這わせた。
「あっ・・・」
鎖骨を舌で擽ると、唇を膨らみの小さな蕾に滑らせた。ゆっくりと舐め回す。
「あぁっ・・・」
小さな蕾は芯を持った固さを帯びていく。軽く歯を立てられ、キリカは堪らず甘い吐息を漏らす。が、ふと我に返ったかのように瞠目すると、今度は掌を口に当てた。
「んっ・・・」
「如何した・・・?」
声を漏らすまいと必死に堪えるキリカに、黒死牟は顔を覗き込むようにして尋ねた。
「何故・・・、声を我慢する・・・?」
「まわりに聞こえてしまいます・・・、これ以上はお許し下さい・・・」
首を弱々しく振り、キリカは懇願した。周りには人がいる。大きな声を出したら聞こえてしまう。
「そう言う事か・・・」
黒死牟は思わずゾッとするような凄艶な笑みを浮かべると、キリカに囁き掛けた。
「面白い・・・、どこまで我慢出来るか試してみるか・・・」
「・・・っ」
「我を忘れるほど・・・、乱れさせてやろう・・・」
舌や唇で蕾を愛撫したまま、黒死牟は右手をキリカの下肢へと伸ばした。薄い茂みを指先で撫でるように触れれば、キリカが掌の下で熱い吐息を漏らす。
「・・・、んぁっ・・・」
茂みに隠された花弁を黒死牟の指が捉える。花弁は既に綻びかけていた。
「・・・んっ・・・」
ぬるぬるとした感触を悦しむように、黒死牟は指先を花弁の中へと沈めていく。少しずつ、少しずつ。焦らすように、ゆっくりと。