第1章 ATXチーム
タウゼントフェスラーに載せていたのはとある新型PTのパーツ。
【ATX計画】と呼ばれる、地球圏防衛計画の一環として地球連合軍北米支部ラングレー基地にて進められている強襲用人型起動兵器開発計画。
それに用いられるという大事なパーツなのである。
そして、そのATX計画の機体に乗るパイロット達は【ATXチーム】と呼ばれていた。
ラングレー基地へと戻ってきたセイカは急いでATX計画のラボへと向かう。
入ってすぐ、セイカは頭を下げて大声で言った。
「ごーーーーーめんなさーーーーーい」
「…予定よりも半日以上、遅れていましてよ」
と、やってきた眼光きつめの女性はATX計画の開発責任者であるマリオン・ラドム博士。
セイカはATXチーム専属のメカニックであるが、同時に彼女の助手でもある。
彼女の側で勉強しながらATX計画の機体の開発を手伝っていた。
しかし、少し難しい性格の彼女なので、セイカはほとんど怒られない日が無い。
「バグスの襲撃を受けてて、どぉぉぉぉしてもっ、振り切れなかったんですぅぅぅ」
「積み荷は無事でしょうね?」
「ハイィ、何とか死守してきましたですっ」
「よろしい。もし無事じゃなかったら、あなたも無事じゃ済まないところでしたわよ?」
「ひぃ…!ごめんなさいごめんなさいごめんなさ」
「こらこら、そこまでいじめてやらんでもいいじゃろう」
助け舟を出してくれたのはリシュウ・トウゴウ。
テスラ・ライヒ研究所の顧問であり、示現流の達人。ゼンガーやブリットの剣の師匠でもある。
グルンガスト用の剣の製作や、剣撃モーションデータなどに携わっている人物で、斬艦刀も彼が製作したものだ。
セイカはリシュウの背に隠れながら小動物のようおびえた様子で、マリオン博士を見つめていた。
「セイカだって一生懸命やっとると言うのに…まるで小姑じゃぞ」
「失礼ですわね!時間通りにパーツを届けるのは当たり前の事ですわ」
「ごめんなさぁぁい…っ」
「おーよしよし」
「もういいですわ。キョウスケ・ナンブ少尉が戻りましたら、こちらへ来るようにと伝えてちょうだい」
「はい!わかりました!じゃあ、自分は整備してくるでありますっ」
セイカは敬礼しながら、そそくさとラボを出て行った。