第6章 追憶~出会い~
「司令、自分は先程格納庫で彼女がゲシュペンストの調子を駆動音で聴き分けていたのを見ていました」
そこで助け舟を出してくれたのは、意外にもゼンガーだった。
流石にその展開は”感覚”で追う事はできなかったので思わずびっくりしてしまう。
「…親分…」
PTの調子を音で聞き分け、それによって整備や補修が必要な個所を見つける能力。
機体に話しかけている様は面妖だと思っていたが、それを目の当たりにしたゼンガーはその時口には出さなかったものの、素直にその能力を評価していたのである。
「整備員として加われば、その力を遺憾なく発揮してくれるでしょう」
「親分…!」
「ふむ。君がそこまで言うのなら期待できそうだな。セイカ君の強い意志もある。ただし、君はまず整備員見習いとして入ることになるが?」
グレッグの言葉を聞いて、ぱぁっと表情が明るくなる。
見ず知らずの一般人を受け入れてくれたことがとても嬉しかった。
「全っ然オッケーです!ありがとうございますっ」
嬉しくて、思わず司令部にいる全員にありがとうを言って回ってしまった。
言われた人たちは皆困惑したり、控えめにおめでとうと言ってくれたりと様々だった。
そして最後に後押ししてくれたゼンガーの所へ向かう。
「親分ありがとう!精一杯頑張るねっ」
「…うむ」
自分の命を助けてくれただけじゃなく、自分の居場所を作ってくれたこの人に報いたい。
出来るなら、この人の助けになりたい。強くそう思った。
少女はこの日、晴れてラングレー基地所属の整備員見習いとなったのであった。