第6章 追憶~出会い~
司令部に入ってその場にいる人たちに軽くお辞儀しながら進むと、目に入ったのは大きな熊さんのような黒い人。
一番偉い人だということは一目瞭然だった。
(この人が…ここの基地で一番上の人なんだぁ)
「こんにちは!お勤めご苦労様ですっ」
と、大きくお辞儀するとされた本人は少し圧倒されているような様子だったが、にこりと微笑んでくれた。
「ゼンガー少佐…彼女が、そうかね?」
「はい。唯一の生存者、セイカ・タチバナです」
するとその人は軽く会釈をしてくれた。
「初めまして、私はグレッグ・パストラル。この基地の司令官を務めている。…今回は災難だったね。君が唯一の生き残りとなってしまった。具合はどうかね?」
軍人は総じて、堅苦しい印象を持っていたけれど…目の前にいるこの人は温かい人なんだなと感じた。
同時に、先程までいた街の様子を思い出し誰一人助けられなかった悔しさが蘇る。
「…大丈夫です。あたしはあの街の住人じゃなかったから。…ただ…助けられなかったのは、悔しいです」
「では、君は何故その町に?」
質問に対してハッと我に返る。
何と答えようかと考えながら少し時間を置いてから話し出す。
「…観光で。少し離れた浜辺でお散歩していたんですけど、いきなり町の方に飛んで行く白い物体を見かけて」
「助けに行った、という訳か」
「着いた時にはどうしようもなくて…そしたら、あたしに気づいたあの大きな虫が追ってきたんです」
「それを自分が見つけて救出しました」
そう、それは”感覚”で視えていたことだった。
だからこそ何とかしたかった。助けが来る前に。
エアロゲイターはまだ、地球へ攻撃を加える段階じゃないのも知っていた。
町を襲撃したのは自分達とは違う異質を感知してしまったからで―
「ご協力感謝する、セイカ君。家まで送り届けよう。だが、また敵が出てくる可能性もある。少しの間待ってもらうことになるがいいかね?」
「…あのっ、ここで働かせてくれませんか!?」
グレッグの言葉を聞きながら、決意していた。
彼もゼンガーも驚きを隠せないようだ。
「本気かね?ここは軍の基地なのだぞ?」
「はい。あたし家族は…いないし、何か役に立てることをしてみたいんです。機械いじりなら出来ますっ」
今は独り。
だから自分がやりたいということを精一杯やりたいと思った。
「しかし…」
