第5章 決意
マンハッタン隕石孔に向かうと、ゼンガーにとってその後の行く末を決める出来事が起こった。
合流するはずの連邦軍艦隊は元教導隊のテンペストや、
ジョナサンが乗っていた輸送機を襲撃したというテンザンというパイロット率いるDC艦隊によってあっけなく全滅していた。
その部隊を何とか退けるも、次に現れたのはコロニー統合軍。
そして―
『久方ぶりだな、我が友よ』
『エルザム・V・ブランシュタイン…やはり、貴様か』
『かつて同じ教導隊だった我らが今は敵同士…運命とは皮肉なものだな』
先程戦っていたDCの機体と同じシリーズのものであるようだが違うのは機体の色が黒く、紋章が施されていたこと。
それは、名門の軍人一族ブランシュタインの紋章であった。
『あの紋章ってブランシュタイン家じゃなぁい?』
『ブランシュタインって…コロニー統合軍の総大将じゃねーか!』
エルザムはコロニー統合軍のエースパイロットで戦闘指揮官。
その統合軍を率いる総司令は、彼の父であるマイヤー・V・ブランシュタインであった。
『やはりそうか…どうあってもここでおれ達を潰すつもりらしい。隊長!』
『相手が誰であろうと…立ち塞がる者は斬り捨てる!!』
『フッ、ならば己の運命は己の手で切り開いて見せるがいい!!』
キョウスケ達は他のAM隊を迎撃し、ゼンガーとエルザムの一騎打ちが始まった。
機動性や精密攻撃ならエルザム。
耐久性、破壊力ならばゼンガー。
双方一歩も譲らず、戦いは熾烈を極めた。
しかし、エルザムは気づいていた。
『さすがに腕は衰えていないようだな。だがゼンガーよ、何を迷う?』
『何っ…!』
『お前はわかりやすい。戦いにもそれが出る。お前も気づいているはずだ…今のままでは、我々人類は異星人に勝つことは出来ん…“劇的な試練”を乗り越えた者で無ければな』
『くっ…!』
エルザムからの攻撃を斬艦刀で切り払い、ゼンガーは距離を取った。
『…何を隠している?…俺に何を伝えようとしているんだ、エルザム』
『それを受け入れる勇気があるのなら、教えてやろう…』
攻撃を止めたエルザムはそう言い残すと、そのまま飛び立ってしまった。