第5章 決意
「お一人ですか?」
「ええ、他の方々には休んでもらっています。これからもっと厳しくなりますから…」
「艦長、優秀な指揮官であろうとするのは当然の事です。
ですが、そのためには平常心である必要があります…自分には艦長が戦いに脅えているように見えます」
レフィーナは否定することが出来なかった。
それほどまでに、基地での出来事が頭に焼き付いていたからだ。
痛い所を突かれてしまい、ゼンガーから視線を少し逸らす。
「このヒリュウ改の艦長になってから、覚悟を決めていたのですが…少佐にはお見通しなんですね…」
「戦場で目の前の敵を倒すことを忘れた者は、その時点で死を意味します」
「…ゼンガー少佐はどうして…そんなに強いのですか?」
思わずレフィーナは問いかける。
大事な上官や仲間達、部下を失って…自分よりもきっと辛いはずなのに、彼は普段と全く変わらない様子でいることが不思議でならなかった。
だが、それに対してゼンガーは緩く首を振る。
「自分はただ、逃げ道を知らぬだけです。故に現状に対してもがく…それが強者の姿として映るのでしょう。
しかし…自分の強さなど、司令達の足元にも及びません」
「ラングレー基地から脱出したのは…正しい判断、だったのでしょうか…?」
「でなければ、基地と命運を共にしていたところでした。それこそ、司令達や…セイカの気持ちを無駄にしていたことでしょう」
「…そうですね。ありがとうございます、そう言っていただけると助かります…」
レフィーナは気づかなかったが、彼の表情には少しだけ変化があった。