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せくしぃろまんすうぇぽんすとーりー(仮)

第5章 決意


その頃、ラングレー基地から辛くも脱出することが出来たヒリュウ改は機体の補給作業を進めつつ、マンハッタン隕石孔へ向かっていた。
およそ百年以上前に、ニューヨークとモスクワに隕石が落下した。
メテオ1、メテオ2と呼ばれる隕石である。
その影響は二つの都市がほぼ壊滅し、復旧の目途が立たぬまま放置されており、現在は封鎖されている区域だった。

ラングレー基地の出来事は、あまりにも辛い現実を突きつけられた。

圧倒的なDCの物量差、そして手際の良さ。
果たして、連邦軍が太刀打ちできるものなのか。
特にATXチームは帰る場所を失い、更には大切な人達まで失ってしまった。



格納庫では、PTパイロット達がそれぞれの機体の整備を他の整備員達と混じって行っていた。

「こっちは終了っと」

「合流ポイントまでの応急処置のようになりそうですが」

「うへ~っ、ATXチームの機体ってメンテとか面倒なのが多いのによく今までちょちょいと出来たよなぁ」

エクセレンとブリットの所にタスクがそう言いながらやって来た。
だが、彼はいつもの調子でそう言った事を後悔する。
途端に二人の表情がやや暗くなってしまったためだ。

「…そうだったな。ごめん」

ATXチームの専属メカニックであったセイカ・タチバナ。
マスコット的な存在であった彼女の姿は、このヒリュウ改には無かった。
自分達を逃がすために彼女は基地に留まり、グレッグ司令達と共に足止めをしてくれた。
その後、DC部隊によりラングレー基地は壊滅したという情報が入っていた。
駐屯していた時期は短かったが、整備する側の人間として彼女の能力は人知を超えていたとタスクは記憶している。

まず作業する動きが速すぎる為か、セイカが何人もいるような錯覚を覚えた。
驚いて呆けている間に作業は終了しており、どんな機体もあっという間に整備してしまう。
しかもパイロット達の間で、彼女が整備をすればするほど、徐々にPTが扱いやすくなると言わしめるほど。

そして、まるで仮面を被ったかの様に沈着冷静なクールビューティーに変貌する性格。
別名メカニックモードと呼ばれ、「整備員30人分の働きをする」という彼女に、ATXチームは助けられてきた。
整備しながら機体に話しかける不思議ちゃんのような所もあったが、慣れるとそれも本当に会話しているように見えていた。
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