第4章 別離
「どうしたのだ…?」
「どうしよう…どうしよう!しれい!みんなに逃げてって…!」
「何だと…?!」
すると警報が鳴り響く。
『へっ、司令部を放っておいてここまで来るのは立派だがな。俺の方が一枚上手だぜ!!』
攻撃を受けたにも関わらず、指揮官機のパイロットは余裕な様子でそう言い残すと、その場を離脱する。
『3時方向に反応あり…警戒網を抜けてきたようです!!』
『ま、まだ来るっていうのかよ!』
レーダーに映ったのはとんでもない数のAM部隊。また別の方向からの奇襲である。
今まで送り込まれてきた数を軽く上回っている。
ここにいる者達ではとても相手に出来る数じゃない。
『まだカードを残していたか…』
『あ、あの数は…』
『た、隊長…!』
『うろたえるな、ブルックリン!敵が何機だろうと気持ちが萎えた時点で負けたと思え!!』
『すみません!』
だが、どの機体も先程の戦闘のダメージを追っている満身創痍の状態。
ラングレー基地は、質はともかくとして絶対的な物量差を突かれてしまえば脆いことは皆が理解していた。
『あ、あの~、ヴァイスちゃんなら極東基地までひとっ飛びなんで…応援要請してきてもいい?』
『…この場で撃ち落とすぞ。どこまで行く気だ』
セイカの“感覚”はこの後どうなるかを予測していた…否、知っていたというべきか。
そしてそれをさせちゃいけないことも…。
どうしたらいいかを一生懸命考えていたが、答えが見つかる前にゼンガーが言った。
『…打つ手は一つ』
『ええ、やれるところまでやるしかありません…!』
『弱い所を突いて切り崩すしかなさそうだ。隊長、どこから―』
『俺が時間を稼ぐ。その間にお前達は撤退しろ』
それは、セイカが聴きたくなかった彼の言葉だった。
ゼンガーは絶対に敵に背を向ける人じゃないことを知っていたから。
『隊長、何を…』
『逃げるって何処へ逃げろってんだ!あたし達の本拠地はここなんだぞ!』
『どこでも構わん、とにかく撤退しろ』
(そんなことしたらいくら親分でも死んじゃう…!!)
セイカが急いで通信を繋げて話そうとした時、代わりに隣にいたグレッグが言った。
『君もだ、少佐』
一同が息を呑む音だけが聞こえた。
グレッグはそのまま続ける。