第4章 別離
『ユンさん、状況はどうですか?』
『宇宙衛星がコロニー統合軍に押さえられてから、少しの妨害でも敵の動きが掴み難いためにはっきりしません』
ヒリュウ改ブリッジオペレーターのユン・ヒョジンが答えた。
『やっぱり同じかぁ…各防衛ラインのレーダーもやられちゃってるし、衛星使えないし、危ないなぁ』
『万一の事を想定して、策を打っていたようだな…敵ながら見事だな、あの男は』
ゼンガーが言っているのは、この前基地を襲撃してきた指揮官機に乗っていたテンペスト・ホーカーのことだろう。
『おじさま、できるだけ早いうちに出発した方がいいかも』
『そのようだ。虎の子を奪われるわけにはいかんしな』
そう言ってジョナサンが乗った輸送機が離陸した時、セイカは危険を感知した。
彼女には音として感知しているものの、周りにはそれを気づく術はない。
虫の羽音よりも小さいが、その音は確実に近づいてきているのがわかる。
『おじさま!やっぱ引き返して!』
『な、なんだって?!』
と、セイカが叫んで数分しないうちにレーダーに反応が見えた。
『艦長!AMらしき機体が急速接近してきます!』
数は十数体。この間の襲撃よりやや多めではある。
すると、ゼンガーから通信が入る。
『機体のマーキング…あれはDCのものではない、コロニー統合軍だろう』
『お空の上にいるもう一つの敵ってやつですね』
『ケッ、あいつら宇宙に敵がいないからDCの手伝いに来たっていうのか!』
基地にやって来た敵部隊は、コロニー統合軍トロイエ隊。
選りすぐりの女性パイロットのみで構成された部隊である。
『…あれが、ヒリュウ改。そしてATXチームか』
『ユーリア隊長、ここで時間を無駄にするわけには…』
『彼らがどれだけの力を持っているか、この目で確かめてみたい』
『ハガネと同じ様に、ですか』
『その通りだ。狙いは輸送機と敵機の迎撃。いいな?レオナ』
『了解です』
敵機の動きが変わった。狙いを絞ってきたようだ。