第3章 前兆 後編
『セイカ、あなた今何やってるんですの!?中途半端に改修しただけで作業が終わったと思ったら大間違いですわ!!』
「ヒィ!」
マリオンから、ご指名の通信が入る。
ヴァイスリッターの改修は終了しているものの、まだそれに取り付けるテスラ・ドライブの最終調整がまだだった。
「すぐに、すぐに行きますです!しれい、すみませんが席を外しますっ」
「ああ、出来るだけ急いでくれ」
「了解ですっ」
セイカは慌てて司令室を出ると、格納庫まで走った。
一生懸命に走った。
息を切らせながら格納庫にたどり着くと、すぐに取り付けが終了していたテスラ・ドライブの調子を見る。
「現在、82%まで安定しています。
でもって敵機来襲までもうすぐです。…行きますか?!」
「まだですわ」
「大丈夫かなぁ~」
『全員、そのまま聞け!』
と、ゼンガーからの通信が入ってきた。
『たった今、南米及びオーストラリアの連邦軍は親DC派部隊の一斉蜂起により、制圧された!
南米地区が敵の手に落ちた今…この北米基地は死守しなければならん!』
『ぇ、身内に敵がいたっていうこと?…連邦軍にもDCになびく人が多いって聞いてたけど、ひとたまりもないね…』
『エクセレン、博士を急がせろ。味方機は一機でも多い方がいい。お前の機体にテスラ・ドライブが搭載されているのなら尚更な』
今度はキョウスケからである。
エクセレンは既にヴァイスリッターに乗り込んでもらっているのだが、
肝心のテスラ・ドライブが安定しない限りは出撃できない状態だった。
というか、マリオンからお許しをもらえない。
セイカは基地に現れた敵機の確認をする。
戦闘機を含めたAMが数十体。しかもデータに無い機体もあった。
どうやら指揮官用のAMのようだ。
「ハカセ、なんかヤバそうですっ。86%まで上がったのでそのまま出撃させましょーよ!」
「ダメです、出撃は許可できませんわ。それはそうと機体の方は?」
「最終調整なら終わってますっ。あとはテスラ・ドライブだけです!」
すると、セイカの身体に突然衝撃が走る。
嫌な予感…と言うよりは“感覚”が告げている。
(何か…起こるの?)
すかさずゼンガーに声をかけた。