第3章 前兆 後編
更に悪い予感は当たり続けた。
宇宙のコロニー統合軍がDCに加担しているらしく、宇宙の軍事衛星網がすべて掌握されてしまったという。
そのため、連邦政府はDCの態勢が整う前にアイドネウス島近くにあるマーケサズ諸島の制圧作戦を行ったのだが、惨敗に終わった。
セイカはラングレー基地にやってきたヒリュウ改のクルー達に挨拶を済ませると、ラボで南極での合流地点だったアレキサンダー沖で目撃されたという識別不明の機体データを整理しつつ眺めていた。
途中で一機、これもまた所属不明の機体が乱入してきたらしいのだが、中には少年らしきパイロットとニャーミャー言う何かが複数乗っているとのことだった。
その機体の形状も実に不思議で、PTやAMでも見たことが無い。
人型でありながら、空を飛び、テスラ・ドライブでも出せないような機動性。
人型から鳥のように変形し、飛び去る様はまさに「疾風」。
きっとマリオンは興味を持ったに違いない。
しかしどうやらこれは敵ではないようだったのでとりあえずは保留。
もうひとつの正体不明機。
新型のエアロゲイターの機体ではないかと言われていたが…
「…!?」
セイカは息を呑んだ。
(この機体…見覚えが…)
中にはパイロットはいなかったようで、完全な人工知能。
こちらもエアロゲイターのバグスのような虫に近い、そして役割としては同様で偵察などを主としたものだろう。
これはエアロゲイターのものではないことをセイカは感じていた。
いや、知っていた。
「気のせい…?でも…違う、よね」
その答えを知る者は、誰もいない。いるはずもなかった。
眉をひそめながらもデータを凝視していると、そこへゼンガーがやって来た。
「あ、親分っ。おつかれさまー」
「うむ…」
少し様子がおかしい。何やら考え事をしているようだ。
普段から言葉は少なめだけど、最近はそれ以上に寡黙になっている気がした。
「親分?どぉしたの?」
「…いや、何でもない」
「ほんとー?」
ずっと彼を見続けているセイカはゼンガーのほんの少しの変化にも気づくことが出来た。
何か、悩んでいるのだろうか。
見ていたデータを閉じて話を聞こうとした時に、格納庫の様子が映し出されるととある機体が目についた。