第2章 前兆 前編
「不満そうですわね」
「仕方ないだろう、ATXチームと一緒に行けないんだ…少しでも、ゼンガーの側に居たいのだろう?」
「だ、だいじょぶですっ。これもあたしの立派なお仕事ですから!それに親分は強いですから、心配はしてないですっ」
とは言うものの、かなり強がったように言ってしまったのと少々瞳を恨ませている状態でむくれた顔をしてしまい、相当無理をしているように見えたらしい。
確かに一緒に行けたらと思ってはいたりしたけれど…。
自分の本分はメカニックであってパイロットじゃない。
守備任務に就く仕事にはあまり必要じゃないのは理解しているので、
一緒に行きたいとは絶対言わない。
それが、『約束』でもあった。
「まあ、大丈夫さ。さほど任務には時間がかからないだろうし、今回はヒリュウ改と合流してからの任務だからな」
「えとぉ…人類初の外宇宙探査航行艦を改造した戦艦でしたよね?ヒリュウ改って」
「さすがに良く知ってるな。とりあえず、私達はヴァイスの改修をやりながら帰りを待っていればいい」
「見張り、頼みましたわよ」
「はぁい」
それからATXチームは南極に向かって出発していった。
ちょうどそれから少し経った後、セイカは何となく嫌な予感を感じた。
何か、大変なことが起きる。
というよりも、それの前兆のような……
「みんな…大丈夫だよね」
とにかく今は自分に出来ることは機体の整備。
そしてただ、大好きな人たちを待つだけ。