第2章 前兆 前編
アーマードモジュール、略してAMは戦闘機から発展した起動兵器であり空中戦を得意とし、PTとは違って単体での飛行が可能とされている。
つい先日、ジョナサンが乗っていた輸送機を襲ったのは所属不明の部隊だったが、その中にAMが含まれていた。
その時にキョウスケはアルトアイゼンで初出撃を果たし、かろうじて迎撃に成功。
だが、AMが量産されていると推測したジョナサンは今後の戦況が不利になると推測したのだ。
セイカもマリオンがアルトの調子を見るために付いていくというので、お供した際にその場面に直面したので覚えている。
そして同じく状況を知ったからこそ意見しているのだが、頑としてマリオンは譲らない姿勢を崩さず行き詰っていたのであった。
「セイカだって、伊達に君の助手を務めているわけじゃないんだ。
それは君もわかっているだろう。
今の劣勢な状況下に颯爽と空飛ぶ白騎士が現れてみろ、周りのお偉方の印象も変わる。
空母の役割を果たす戦艦とそれに搭載された人型起動兵器による電撃戦を、ヴァイスにあのドライブを取り付けることによって可能となる」
「…ハカセぇ、もともとテスラ・ドライブだってテスラ研で開発されてたものだから100%EOTな訳じゃ…」
おずおずとマリオンを見つめながらも懸命に言葉を紡ぎだしてみたセイカ。
普段なら今の状態よりも更に一段階鋭い目つきで睨み返されるだろうと覚悟しての事だったが…。
予想と裏腹に、睨み返される代わりにマリオンは大きなため息をついた。
「この目でアーマードモジュールを見てしまいましたし…いいでしょう、許可しますわ。では、Mk-Ⅱカスタムの改修はお任せします。
セイカ、あなたは博士がいらぬクセをカスタムに付けないように見張っておきなさい」
「…それは大丈夫だと思うんですけどぉ」
「いや、どちらにしてもセイカがいてくれると助かる。君の助手は私が預かるよ」
「じゃあ、お留守番なんですね」
ATXチームはこれから南極に赴くことになっていた。
南極にあるコーツランド基地でスペースノア級万能戦闘母艦シロガネとEOTI機関が造った新型兵器のお披露目があるらしい。
その守備任務に就くことになっていた。
マリオンはシロガネとEOTI機関の新型起動兵器【グランゾン】が気になると言ってATXチームと一緒に付いていくという。
