第9章 【フロイド】over over!!
「先輩?まだ授業が……」
「んっ?」
やっとこちらを向いてくれたフロイドは、とりあえず黙っていろと言わんばかりの視線で監督生を見下ろすと、無言のままオクタヴィネル寮へと続く鏡をくぐる。
フワッとした得も言われぬ慣れない感覚に目を閉じてギュッとフロイドの制服を掴めば、あっという間に海の中だ。
そのまま、フロイドの部屋へ直行したかと思うと、サユは彼のベッドへ放り投げられた。
「あのっ?先輩?」
身体を起こし、フロイドの顔色を窺いつつも声を掛ける監督生に、フロイドはニヤリと笑って近づいていく。
ベストを脱ぎ、シャツのボタンをいつも以上に緩めながら、ベッドに上ってきたフロイドに何となしの危機感を覚え、サユは少しだけ後ずさりした。
「何で逃げんの小エビちゃん?」
フロイドは、監督生の靴を脱がせながら、足首を掴み自分の方へ引き寄せると先ほどの続きと言わんばかりに彼女を抱きしめキスを落とす。
ベッドの上で若い男女がキスをしたら、どうなるかなんて誰でもわかる……サユは、どうしたらよいか分からないのに、フロイドの腕からは逃げられるはずがないという冷静な面を持ち合わせてしまった。
なんとか彼を落ち着かせなければ……。そう思ったのも束の間で、フロイドは監督生を抱きしめていた手を徐に動かし、彼女の身体を撫でたり抓ったりし始める。
「小エビちゃんの身体、本当にやらっかいね~」
楽しそうに身体を撫でるフロイドが何だか可愛くて、先ほどの危機感が飛んでいった。決して厭らしい手つきでない事がその一因だ。ただ、興味本位で身体を撫でていると言った方が正しそうである。やはりサユの考え過ぎだったのだろうか?
そう思った矢先……フロイドの手が監督生の下腹部辺りで止まった。
目の前でニコニコ笑っているフロイドの顔を見て首を傾げたサユに再び彼の唇が重なる。
「あのね、小エビちゃんのココに俺のち〇ち〇。入れるとすっごく気持ちいいんだって~」
「……」
その言葉に監督生は固まった。