第9章 【フロイド】over over!!
それにしてもやはり気になる女の子の身体……。
今まだ、あまり意識して触れたことはなかったけれど、クラスメイトの話によれば、女の子の身体はどこもかしこも柔らかく、触れられた彼女たちもその箇所によっては快楽を得られ、互いに損はないと言う事だった。
当のサユも、フロイドがそう言う触れ方をすれば、喜んでくれるのだろうか?
自分自身も快楽を得られるのだろうか?
そんな妄想が頭の中を駆け巡る。
しかしながら、おそらく目の前にいる2人はそう言う経験はないだろう……。
「ジェイドは女の子に触ったことある?」
アズールの目が光った気がしたが、もう気にしない事にした。
「そうですねぇ。触れると言う意味だけでしたら、監督生さんに触れたことはありますが、フロイドが言わんとしている意味で……という事でしたら、本格的にはありませんね」
監督生にという言葉に少々引っかかるが、握手をしたりという意味では確かにそうだろう。
「本格的にってどういう事?」
「おやおや……気になりますか?」
ジェイドの意味ありげな視線にフロイドは頷いた。
「陸の拷問特集の中に、女性への性的拷問という項目がありまして……」
「試したのか?」
すかさずアズールが口を挟む。
「えぇ、一度だけですが。私たちがあまり女性を相手にする事はありませんし、僕も一男子高校生として興味がありましたので」
アズールの大きなため息と、ジェイドの小さな笑い声がいつものように重なった。フロイドもその本は読んだはずで、色々と思い返し始めたとき、ジェイドがそれを制止する。
「でも、あれは愛する女性にはしてはいけませんよ。あくまでも拷問が目的ですから」
それもそうだ。とフロイドは納得した。
という事は、やはりそう言う経験はないに等しい。この2人との談義はここで終了となり、普段通りに昼食を食べたフロイドは、監督生と待ち合わせ場所にしている図書館近くのベンチへと向かった。