第7章 【レオナ】King's love①
「ところで、監督生くんはレオナさんと毎日のように一緒にいますけど、疲れないっすか?」
「えっ?別にいつも楽しく寛がせてもらってます」
「えっ?いつも激しく眠れないんじゃないっすか?」
ラギーは驚いた表情を見せ、サユは首をかしげる。
ラギーの上げた大声に、周りにいた寮生たちがこちらに振り返った事にも慌てた彼は、声を潜めてサユに詰め寄った。
「夜、一緒に寝ないんすか?その……交尾的な意味で」
「……」
そんなことを言われて、顔を真っ赤にしたサユ。
交尾的な……というのは、つまりそういう事なのだろう。
サユは、首をブンブンと横に振り、ラギーの言葉を否定した。
「まさか、レオナさんが手ぇ出してないとか言わないっすよね?」
「……」
サユの恥ずかしがる表情に、さすがにそれはないかとラギーも納得する。それにしても、王族の雄と言えば、若い頃から常に雌が周りを取り囲みそう言う行為を繰り返し、種を強くすると聞いているのだ。
レオナの性欲も強くあるに違いないと思っていたが見当違いだっただろうか?
ラギーは、腕を組み考え込む。
「あの……レオナ先輩は、いつも優しいです」
遠慮がちに小さな声で答えたサユに次の疑問をぶつけようとした時、彼女の背後に立つ大きな影にラギーは顔を引きつらせた。
「余計な事は話さなくていい」
サユを後ろから抱きしめ、彼女の耳元でそう囁いたかと思うと、そのまま項を甘噛みする。
「……あっ」
ビクッと身体を震わせたサユに、ラギーはニヤリと笑うと席を立ち、片づけを始めた。
「部屋に何か運びます?」
「いや、いい」
短い会話を交わして、レオナはサユを連れて自室へ向かうが、歩いている間に会話はなく、先ほどのラギーとの話はマズかっただろうかと反省する。