第7章 【レオナ】King's love①
サユは正真正銘レオナの番、恋人である。サバナクロ―寮の全員が周知している事であり、何よりもレオナから送られたであろうアクセサリーの数々を見れば一目瞭然であった。
髪飾りからアンクレットまで、レオナ仕様に仕上げられているサユに手を出そうなんて言う強者はこの寮には現在いないだろう。
少しして、ラギーによって運ばれてきた珍しいフルーツを目にして、サユは目をキラキラを輝かせた。
「すごいですね」
「昨日、レオナさんの実家から送られてきたッス」
感嘆の声をあげながらそれを頬張る。
「あっ、でもレオナ先輩いないのに、勝手に食べてしまって大丈夫でしょうか?」
「レオナさん、野菜や果物は大して食べないから、大丈夫っすよ」
向かいに座るラギーも一緒になってフルーツを口にした。
「夕焼けの草原ってどんなところですか?」
不意にそんな言葉を口にしたサユにラギーは不思議そうな顔を浮かべる。
「レオナさんに聞いたらいいじゃないっすか」
「レオナ先輩、あんまり自分の事は話してくれないんですよね」
「ふーん」
少し寂しそうなサユの表情に、ラギーは故郷の話をしてやった。
「でも、俺が住んでたところとレオナさんの王宮じゃ、全然比べ物にならないっすけどね」
ラギーは、まるで一緒に住んでいたかのように王宮での暮らしを話してくれて、レオナも、ラギーにならばそう言う話をするのだろうかとサユは疑問に思ってしまった。
「あぁ、俺のダチから聞いた話っすよ、そいつ、レオナさんとこで働いてたんで」
ラギーはどうしてこうも、他人の気持ちに敏感に反応してくれるのだろうか?
何か魔法でも使って人の心が読めるのか?
そんな事まで考えてしまい、サユが百面相をしていると、シッシッシと彼独特の笑い声が聞こえてくる。
「監督生くん、顔に何でもでるから、すぐ何考えてるか分かるッス」
そう言われてしまい、サユは両頬に手を当てて恥ずかしいと顔を赤らめた。
「そんなに分かりやすいですか?」
ラギーはその問いかけに大きく頷くと、おかわりのお茶を用意し始めるのだった。