第6章 【エース】Flour of heart②
エースは、この上なく自分の恋人が可愛いと心の中で呟いて、彼女の頭をそっと撫でると、耳朶へ優しくキスをする。
「どうりで、ガチガチなわけだ。優しくするから……その……いいか?」
囁くような問いかけにサユはまた小さく頷いた。
エースの手が再び彼女の身体を愛撫していく。ゾワゾワするような不思議な感覚に身体を捩らせながら、エースはこういった事の経験があるのだろうかという疑問がサユの中に芽生え始めた。
もちろん自分は初めての経験で、エースも同じ年齢である。
男の子はこういった経験は早いものなのだろうか?こちらの世界では当たり前のことなのか?
エースはかっこいいし、明るい性格で同性からも人気がある。自分の世界で言う中学生くらいの年齢の時にももちろん彼女はいたのだろう……。
そんな考えが頭の中を支配し始めた頃、エースがサユの胸の頂を甘噛みする。
ビクッと跳ねた身体は、先ほどよりも敏感になっていて、サユ下半身に甘い痺れが走ったのが分かり、我に返った。