第5章 【エース】Flour of heart①
「……デートって…」
「ケイト先輩に、美味しいスイーツのお店聞いたし、服とか見に行ったりとかそう言うのしたいなって」
サユ程ではないが、エースの頬も赤くなっているのが分かり、サユもなんだか嬉しくなる。
しかし、学園長に依頼された仕事をしないと、食事にもあり付けなくなってしまうのではないかと言う心配もあり、素直に返事ができないことにもどかしさを感じていた。
「今日は無理だけど……、バイトが早く終わった日なら」
「マジで?」
必ずいつとは言えないが、エースも部活があるし、部活がない日は寮でゴロゴロしているというので、サユのバイトに合わせてデートをする事を約束する。
エースは嬉しさのあまり、サユをギュッと抱きしめた。
ますますサユの顔が赤くなっていくのを見て、かわいいと思ってしまう。
今日は美味しく昼食が食べられそうだと、エースは嬉々として列に戻ったのだった。