第27章 RPG的なもの(逆ハー)
私は運ばれるようにして中央近くにあった、学校の自転車小屋みたいな小屋に連れて行かれた。
でも本当に『小屋』というかんじなので二人入るとどうしても肩がでてしまう。
「もう少し寄らないと風邪をひくぞ」
そう言って桂さんは私の肩を自分のほうに引き寄せた。
「風邪?風邪なんてひくの?ゲームの中で?」
その力でパタッと桂さんの膝に倒れこんだ私は起き上がってそう聞いた。
「わからん。わからんが寒い」
桂さんはそう言ってローブを絞った。
ボタボタとローブからは水が流れ出た。
重そう。
そんなこと思っている余裕なんてないのに、その姿を見てそんなことを考えた。
「寒いですね…」
「まったくだな」
やっと力ある声が出たのに安心したのか、桂さんはワンオクターブ上げて答えた。
でも、それがなんだか不自然で笑えた。
「なんなんだ?落ち込んだかと思ったら次は笑うのか。こっちもわからんな」
そう言って桂さんは苦笑いをしながら大きく伸びをした。
もちろんそんなスペースがあるわけがない。
桂さんは腕を後ろにあった鉄板に腕をぶつけてそのまま後ろに倒れこんだ。