第27章 RPG的なもの(逆ハー)
……。
「桂さんって天然ですよね」
「天然じゃないだろう。たぶん人工的な穴だ」
「え?」
思ったのとは全く違う答えが返ってきたので聞き返し、桂さんの見るほうを見れば、鉄板の向こう側には大きな穴がぽっかり空いていた。そしてその先は坂になっているらしく、鉄板は滑って行った。
「はぁ~~~~~~」
とか言いながら、私は坂を滑って行く鉄板を見つめていると、桂さんが不意に体操座りをした。
「何やってんですか桂さん!まさか…」
「この坂を滑り降りる」
「い?!この得体もしれない穴の中にですか???
ずいぶん深いですよ、鉄板がどこかにぶつかった音とかしませんし…」
「それしかここから降りる方法がないだろう。…いやあったな、またロッククライミングして下まで降りる」
「あ、それはいやですね」
という消去法から、私も桂さんの後ろで体操座り。
「行くぞ!」
「お、お~~」
「いい返事だ!」
褒められた。
なんて答えたらいいかわからなかっただけなんだけど。