第25章 我、道を行く(ヘタリア)
「王耀ちゃん☆」
ゴシゴシ傷がつくほど強く擦る王耀に、フランシスが声をかけてきた。
「何あるか、キリギリス。働きアリになんの用あるか?」
「あはは。軍隊アリの間違いじゃないのか?俺は愛を運ぶミツバチさ」
「だったら人から牙を抜かないで欲しいある」
ごぼごぼと排水溝が水を飲み込んでいく。
「そんなつもりはないよ。あいつはずっと昔からああだぜ?」
「我にはあいつは分からねーあるが、…ずっとここにいたら確実に牙を抜かれるある」
「そうかねー。俺にはお前も菊も分からねえよ」
そう言ってフランシスは薔薇を一本投げ捨てて浴室から去って行った。
ゆっくりとその薔薇は排水溝の前まで流れ、その場でくるくると回った。
あとがき
これ…おもしろいか…?org