第25章 我、道を行く(ヘタリア)
やっと3つめの掃除が終わった時、アントーニョが女性3人を連れて入ってきた。
「お客様、ご来店や☆」
「はい。種の湯と金の湯、煙の湯ならすぐに準備できます」
と本田が答えた。
「まだ準備中ある。即刻帰って欲しいね」
本田とは裏腹に、王耀は断固来店を拒否した。
「王耀ー。お客さんは常連客やねん。その辺空気読んでや」
声を低くして、アントーニョが言った。しかし、王耀にはそれでは納得できなかった。
「お前に言われたくねーある。
ちゃんと店の前に営業時間は書いてあるね。のれんも出してないし、どう見ても営業してないね。むしろなんで入ってきたか」
「わ、王耀さん!」
本田に、バチンと勢いよく口をふさがれた。
いてぇある!
やり返そうと蹴りを繰り出そうと左足を腹めがけて出すと、本田の右足にからめとられた。
そしてそのまま店の奥にフェードアウトさせられた。
「本田のくせに、何するあるか!」
「くせにってなんですか!お客さんの前なんですから駄目ですよ!」
「何が駄目あるか!駄目は向こうある!常識というものを教えてやるね、体で」
「ちょ!セクハラ発言ですか、けしからんですよ!」
「この白痴が!」
パチっと本田の頭を叩いた。
「ここにはここの常識があるんですよ」
頭をさすりながら本田が言った。
「ガキの癖に分かったようなことを言うなある!何あるかその常識、気持ち悪い!
お前は本当にそれでいいあるか?」
「いいですよ」
「よくない!」
王耀は怒って4つめの風呂を掃除しに行ってしまった。
しかし、本田には王耀の怒りが理解できないのであった。