第25章 我、道を行く(ヘタリア)
「ちょっとそっち押すなよ!」
「これが限界やねん、馬鹿」
「あの左の子には手ェ出すなよ!」
控室に行くと、三人の男たちが虫のように窓に群れていた。
「おはようございます」
挨拶して本田が部屋に入って行った。
「おお!あ、新入りも一緒か!」
「来てやったあるよ。いやいやだがな」
振り返ったフランシスに、王耀は黒い笑いを浮かべながら答えた。
「ふぅん、美人やねんな」
「東洋系か」
そう言ってフランシスに続いて二人の男が振り向いた。
俺様はギルベルト様だぜ!褒め称えやがれ!」
銀髪・赤目のほうの男が言った。
「あちょー!」
その男に、王耀は肘鉄を喰らわした。
「ネイヨー!なんで見ず知らずのお前を褒め称えなきゃならないあるか!この白痴!」
「王耀さん。控室で暴れるのはやめてください。椅子が壊れました」
隣で(お人よし)馬鹿がなんか言っているが構っていられない。
そのお人よしも、伸びてしまったギルベルトより椅子のが気になるらしかった。
「悪いな。ギルはこういうやつやねん。俺はアントーニョ・フェルナンデス・カリエドっていうねん」
「我にあんまり近づくなある。お前も蹴られたいか?」
あんまりにも距離が近いのでそう言って睨みつけると、アントーニョはふにゃと笑って、
「うばあああああ、かわいいいぃぃぃ」
と言った。
いらっとした王耀は背中に蹴りをお見舞いしておいた。