第24章 クニゾンクエスト(ヘタリア)
日が高くなったころ、上空では突風が吹き荒れていた。
「うぁっぷ!口に砂が入るぜ」
「今は寡黙の時間です」
「寡黙の…なんだそりゃ」
「この時間は話していると口に砂が入るので、みんな寡黙になる時間なんです」
「あっはっは!そりゃいいや」
ギルベルトは大口を開けて笑ってしまって失敗した。
鼻から口から大量に砂を吸いこんでしまった。
むせ続けるギルベルトを、「だから言ったのに…」とトーリスが背中をさする。
「ああ、あそこに泉がありますね。あそこに行きましょう」
トーリスはそこに軍営を置くことに決めたようだ。
「あ~…生き返るぜー」
水を頭からかぶったギルベルトは、空を見上げた。
風の音で耳が痛いし、ビシビシと顔に砂が当たって顔も痛い。
外套を深くかぶったところで、少し上に山頂の部分が見えた。
「なあなあ、トーリス。その仙人って言うの、探してみねえか?」
「は?」
「だって、いるとも限らねえし、いないとも限らねえ。
ここは探してみる価値あると思うぞ」
「そう・・・ですかね?」
「だってよ、イヴァンより先に仲間にしちまったら、すげえ味方になるんじゃねえか?」
「そ、そうですけど…イヴァンさん怒るだろうな…」
「いーんだよ。だって怒らせてるんだから」
そう言ってギルベルトは山頂へと勇み足で歩いて行く。
「あ、じゃ・じゃあ俺も行きます!」
ギルベルトをトーリスは追いかけて行った。