第24章 クニゾンクエスト(ヘタリア)
風を読み
大地の息吹を感じ
決して運命の歯車に惑わされるな
山道は険しく、人の通った形跡が全くない。
背丈まである林の間から、山頂が見える。
「本当に山頂まで行くんですか」
普段あまり動きまわらないトーリスはすでに息も絶え絶え。
「なんだよ、情けねえな。これから戦する奴がこんなことでへこたれてんのか。先が思いやられるぜ!けせせ」
そういうギルベルトは草を刈りながらどんどん先へ進む。
ここまで来たら、山頂まで行かねえとな!仙人がいるいない関係なしに。
そういうわけでこうして何もない山道をひたすら登り続けているわけだ。
トーリスはギルベルトの後に付いてきたことを後悔した。
「…ルートヴィッヒさん、今どのあたりまで行ったのかな」
もうそろそろ空は茜色に染まるころだ。
早朝、騎馬の一軍を率いて行ったルートヴィッヒを思い出す。
コウリンへは今日の深夜には着くと言っていたけれど。
(それに引きかえ、俺は何やってるんだろう…)
腰にさした剣を杖代わりにして、林に埋もれながら天を仰ぐ。
空には一番星が出ていた。
その時、
バキューン!
一発の銃声が山に響き渡った。
「ギルベルトさん!?」
ギルベルトのいるほうから聞こえてきた。