第24章 クニゾンクエスト(ヘタリア)
こうしてフェリクスは砦に残り、ルートヴィッヒはコウリンを攻め、ギルベルトとトーリスは大蛇仙道へと向かった。
「しかし、なんでよりによってイヴァンの奴大蛇仙道を選んだんだ?」
背よりはるかに高い雑草を手で払いながら、ギルベルトは言う。
「…知ってますか?この山のふもとには昔から恐ろしい大蛇が棲んでいるという噂を」
「…大蛇?」
「ええ。そして、モンスターを操る仙人がいるということです」
その仙人というのがいるものなら、配下に加えたいとイヴァンは言っていたらしい。
「蛇がでかくなるのは分かるが、操る人間がいるってのはちょっと信憑性ねえな」
そう言ってギルベルトは剣で草を刈り始めた。
「ですよね。…イヴァンさんらしくないな、そんな話信じるなんて」
でも、たまにそういう話を持って来ては目をきらきらさせて語るときがあるんですよね。
どこかさびしげにつぶやくトーリス。
彼はイヴァンのことも嫌いになりきれないようなことを言う時がある。
(これは戦なのに、こいつ時々甘いよな…)
その甘さが命取りにならなければいいが、とギルベルトは思ったが、それをひっくるめて俺様が守ればいいんだな!とも思った。