第24章 クニゾンクエスト(ヘタリア)
「まあ待て。
北サランに辿り着くまでは、確かに5日ある。だが兵力の差から正面からやり合うのは自殺行為だ。よって本隊が辿り着く前に何かしら手を打つ必要がある」
ルートヴィッヒはそう言って地図を広げ、今の敵軍位置に銅貨を置いた。
彼はこの一言から軍師に任命された(周りからの無言の圧力)。
「そんじゃ、奇襲と行くか?そういうの得意だぜー」
ギルベルトが腕を回して張り切っているとルートは頷いたが、それには続きがあった。
「奇襲をする部隊を二隊に分ける。
一隊はエンソの大蛇仙道で本隊を待ち伏せ、もう一隊はシントの北領土・コウリンを攻める」
「なぜですか?余計な敵を増やしている暇はないのですが」
シントはエンソの隣の大国で、今は休戦条約を結んでいる。
トーリスの質問に、ルートヴィッヒが隣に立っていた兵士に目で合図した。
すると、その兵士は一枚の布を広げて見せた。
「エンソの旗、ですね」
「これを掲げてコウリンを攻める。
そうすればシントは大軍を率いてエンソを攻めてくるだろう」
そして、ここに攻めてくれる軍も引き返さざる負えなくなる、というわけだ。
その場にいた全員が「はあ…」と言って、その案に決定された。