第24章 クニゾンクエスト(ヘタリア)
北風と南風のぶつかり合うところ。総じてこの地には嵐が多い。
実りの季節が来ることはなく、どんなに丸丸と太った馬も数日で骨と皮だけになるという。
ここは南サラン、骨馬(こつば)の要塞。
濃緑のマントを身に付けたトーリスは少し凛々しく見える。
「お、かっこいいじゃねえか!」
とギルベルトが冗談半分で冷やかすと、
「やめてくださいよ~」
と、トーリスは眉を下げて困っていた。領主としてもっとシャキッとしてもらいたいものだが。
要塞には何人かの戦士、そして北サラン領主のフェリクス氏がいた。
「戦の準備?OKだし。ポニー用意したんよ~」
しかし本人はいたってマイペースである。
「もう、フェリクス!もうちょっと真面目に考えてよ!!」
そのフェリクスをトーリスがたしなめる。これが通常運転のようだ。
(ほんと、大丈夫か?)
ここにきてやっと、ギルベルトは少し心配になるのであった。
「兄さんに言われて、いくつか武器を持て来たが…
もっと持ってくればよかった」
この時のために、故郷で軍人をしている弟のルートヴィッヒに武器を持ってきてもらっていたが、長居をしてもらう必要がありそうだ。
「まあ、あと5日あるし~。なんとかなるんじゃない?」
そう言ってフェリクスはのんびりしている。