第23章 ようこそ修羅の道へ(銀魂・高杉)
「闇の中でこそ、光は己の価値に気付く。
そう思わねえか、五十鈴」
不意に末席に座っている五十鈴に高杉が尋ねた。
「え!」
現実味のないこの場で、彼女はぼうっとしていた。
妙なキャッチセールスについてきたらこれだよ!あたしゃNOと言えない日本人だよ!
知らず知らずのうちにテロリストの巣窟へ。
このような状況を招いてしまった自己嫌悪でぷるぷるてしまう。
そんなときにこの質問である。
そして今、テンパる彼女を、高杉はおかしそうに見物している。
…や・やヴぁい。この人、あたしが答えるまでずっと見物しているつもりなんだ!
高杉の様子を見て五十鈴は少し悔しくなった。
五十鈴はすぅっと深呼吸をした後ににやりと笑って見せた。
…思いっきり大きいことを言ってやろう。
「闇だって、光があるからこそ、己が闇だということを認識できるんじゃないでしょうか」
「小娘が!分かった風なことを言うな!」
ぎゃあ!何このおっさん!
同じように隣で小さくなって座っていたおっさんが片足を立てて怒鳴ってきた。