第22章 ボツ話②俺の彼女紹介します(銀魂・山崎)
だが、副長は
「何かあったのか…?」
と戦争10日目に言っていた。
たしかにそれまではなんの問題なく敵拠点を抑えていたのに、その日からぱったりと動きがなくなった。
その日から地球と土園との連合軍は苦戦して、1カ月かけて何とか勝利することができたのだった。
隊士の死者も多く、帰ってきた局長も原田隊長も、傷と栄養失調でしばらく動けない状態だった。
そのことから、俺たちのあの軍師に抱く感情は複雑なものだった。
沖田隊長なんて露骨に嫌なオーラ出してるし。
気まずい沈黙は流れ続け、それを打ち破ったのは原田隊長だった。
「そうは言っても局長。しつこく口説いてたじゃないですか」
「あ、あれ~???そうだっけ?覚えてないな!あっはっは~」
「お元気そうで何よりです」
国立大師はほっとしたように笑った。
「土園の軍師は、冷酷非道な女だって聞いたけど、ずいぶんとイメージと違うな」
副長は、生花を置いて煙草に火をつけた。
確かに、もっとこう、冷たくて高飛車なイメージだったけど。本物は思いのほか小さくて細くてなんとも頼りなさ気だった。
「あはは…よく言われます」
となぜか照れている国立大師。
いや、照れる所じゃないけど。
「なんであんたがここにいるんだか知らねぇけどなァ。死んだ奴らはあんたに来られてもうれしくなんて「総悟、うるせーぞ。拝むんだったらさっさと拝めよ」
そういえば副長は何かと国立大師をかばっていた。
もしかしたら副長は3年前、局長から何か聞いていたのかもしれない。
沖田隊長はむっとしたような顔をしたあと、さっさと墓前から降りてきたかと思うと、いきなり飛び出してきた小さな影とぶつかった。