• テキストサイズ

銀色の夢(銀魂・ヘタリア短編夢)

第19章 隣のA.PH(ヘタリア・ティノ)





「ご、ごめんなさい。なんだか飲みすぎてしまって…」

今日も、と言って少し暗い顔をする。

「いいよ、でも体壊すほど飲まないでね」

そういう私は酔ってない。あんまり飲んでないのもあるけれど、ティノくんと飲むようになってから酔えなくなった。だって私まで酔ったら終わりじゃん!!

ティノくんもまた、私と飲むようになってからベロンベロンに酔うようになった。

超飲むのだ。

最初は、強いところを見せたくて飲んでいたみたいだけれど、最近はどうやら違うらしい。

何か悩みがあるようだけれど、酔ってしまうと例のごとくなってしまうので、なかなか聞けずにいた。

「…何かあったの?」

握りつぶしたご祝儀袋が目に入って、聞かずにはいられなかった。

「僕は…
自分が情けないんですよ…。どうしてこういう格好悪いところばっかり見せてしまうのか。
どうしてこんなに子どもなんだろうかと」

支える私の手を掴んで、ティノくんは立ち止まった。

その表情は険しい。

「どうしてだと、思いますか?」

優しい声色でティノくんは囁く。

力づよく肩を掴まれて、私は反射的に体を逸らした。

「あ…」

「逃げないで」

がっちりと腰を腕に捕らわれて、頬に手を優しく添えられ。

こ、こやつ慣れておる…!

考える間も与えず息もできず、少し強引に口づけされた。


しばらく、街の喧騒が嘘のような沈黙が二人の間に流れる。


その喧騒が戻ったのは、二人同時に息を吸った時だった。


「ごめんなさい!」

ティノくんは我に返って、慌てて私の肩を掴んで体を離した。

「いえ…」

私は、夢を見ているようなふわふわとした感覚に陥って、ぼぉっとしたまま返事をする。




「ごめんなさい…
僕は…あなたが好きです」




それだけは、どうしても止めることができなくて。





どうしようもなくて。








ATOGAKI
そして、酔いがさめて後悔に襲われるティノ氏。
/ 111ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp