第17章 夢見る少年(ヘタリア・イヴァン)
「僕に、これくれるの?」
ヒマワリを差し出す彼女に、僕は聞いた。
「う、うん。ヒマワリ好きって聞いたことがあって」
「うん。好きだよ」
そう言って僕は笑顔で彼女の手からヒマワリを受け取った。
「うれしいな。花束も素敵だけど、一個だけのヒマワリのが僕は好きだなー。で、何企んでるの?」
間髪いれず彼女に尋ねると、彼女はちょっとショックそうな顔をした。
「た、企んでません!ヒマワリが可愛いから、イヴァンさんにあげたいと思って」
「あははは。そんなの分かってるよ。可愛いなぁ」
思った通りの彼女の反応に、僕はうれしくなって彼女の頭をなでる。
「だけど、ヒマワリより君のが欲しいな」
いたずらっぽく僕が言うと、彼女は一瞬何を言われたのか分からない、という顔をした後、恥ずかしそうにうつむいた。
「そ、そういうこと…言われると、どうしたらいいのか…」
「本気だよ」
そう言って彼女の手を引く。
「ねえ、今度一緒にヒマワリ見に行こうよ。ずっと遠くの国へ」
「…う、うん」
「それからそこで一緒に暮すんだ。ヒマワリとかチューリップとかお花いっぱい育てようね」
それって、もしかして求婚なのかな?と彼女はやっと気がついたようだ。
いやって言うのは無しだからね☆コル
僕はそう言って彼女にウィンクした。
「イヴァンさん、実はずっと緊張してたでしょう」
「緊張?なにそれおいしいの?」
そう言いながらも、僕は気づかれないようにコートで手のひらの汗をふいた。