第3章 朝のない世界で(神威/微裏夢)
この世界には朝が来ない。
星が瞬いている、ということは、きっとどこかに太陽(またはそれに近しい物が)は存在しているのだろう。
なのに、どこにも見えない。
「もう…やめて…」
そんな言葉に何の抑止力もないのはわかっている。むしろこの男を煽ってしまう。
息も乱さず、赤い髪の少年はひたすら肉欲を満たす。
ガラスに手をつかされ、後ろから何度も突かれ続けて意識も朦朧としていた。…意識を失っても、起こされてしまうのだけど。
私はある星で捕虜になり、この少年・神威に海賊船に連れてこられた。以来、ずっとこうして彼に抱かれ続けている。
「まだ、しゃべる元気あったんだ?
だったら、いい声で啼いて」
「…あっ」
体を回されて、彼と向かい合わせにされて深く突かれ。
「もっといい声で、啼いてよ」
もっと味あわせて。
耳に唇を押しあててささやく。
いつまで続くんだろう。
朝はまだ、来ない。
「はぁ…。
やっぱり、スッキリしないなぁ」
神威はキングサイズのベッドから上半身を起こしながらぼやいた。
「そんだけ長い時間ヤッテて言う言葉じゃないでしょ」
こっちの身にもなってよ、と阿伏兎。
「むしろ他の欲も中途半端に刺激しちゃうって言うのかな。
暴れたいし、食べたいし、全然足りないんだ」
そう言いながら、神威は隣で裸で横たわる私の足を撫でた。