第13章 窓辺で愛は語れない(フランシス夢)
しばらくクイズのようになっていたが、
「…あ。俺わかっちゃったかもしれない」
そう言って、不意にアーサーは気まずそうな顔をした。
それはまずいだろ、とか言われるかと思っていたが、
「フランシス!!!お前って馬鹿は!!これでも食え!」
そう言ってチーズを差しだしてきた。
「そ、それはいらないって言ってるだろ!」
急に親切になった。身分を越えた恋に興奮しているようだった。
そして、アーサーは鼓舞させるような言葉だけを残して、最後に「まあ、応援してるぜ」と言って勘定と一緒に去って行った。
たまには粋なことするな。そう思いながら、俺はしばらくその席から離れられなかった。
あとがき
口説き言葉とアーサーとの会話が楽しすぎてたまらないのだが。