第11章 そして賽は投げられた(銀魂逆ハ―シリーズ)
きゃああああ!と叫んで顔を両手で覆ったのは、…近藤さんだった。
「あんたは乙女か」
土方さんは呆れたように突っ込むと、
「ねえ!それお妙さんに言ってないよね、言ってないよね!トシーーー!」
と言ってジタバタ暴れ出した。
「近藤さん、落ち着いてくだせェ。誰にも言ってませんぜ。ただ、ちょっと朝ウンコしてるときに一人で叫んでただけで」
「それ厠の向こうの人聞いてるから!絶対聞いてたって!!!」
沖田さんは黒い笑いを浮かべている。あ、完全に近藤さんで遊んでるよね?
「…近藤さんが悪いんでさァ」
ぼそりとつぶやいた沖田さんの言葉を、私は聞き逃さなかった。
何を?と私が聞こうとすると、沖田さんは懐から巨大なマップを取りだした。
「旅行と言えば、人生すごろく…と言うものですぜ」
おお!と近藤さん、急に顔色を変えて姿勢を正した。
だが、すかさず土方さんは突っ込みを入れる。
「なんでそこに入れてきた」
「うるせえブタ野郎」
「んだとこの餓鬼ガッパ」
「ブタ野郎よりマシでさ」
「何を…」
「まあまあ。やろうぜ人生すごろく」
「ちょうどゲーム、やりたかったんですよ」
私と近藤さんが人生すごろくに関心を示したため、土方さんは舌打ちをして頭を掻いた。一方沖田さんはにやりと黒い笑いを浮かべる。