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銀色の夢(銀魂・ヘタリア短編夢)

第11章 そして賽は投げられた(銀魂逆ハ―シリーズ)


私たちがこうして二人で旅をしているのは、…そう。
ずばり旅行の下見なのである。

なんでも、近藤さんは半年に一回失恋旅行というものをやっているらしい。…同じようなおっさんどもを集団で引き連れて。失恋の頻度が分かってしまう悲しみ。

私がお供しているのは…まあちょっとしたとばっちりなのである。

…ただ単に、公園で魂の抜けたような顔でブランコに乗っていた近藤さんと偶然出会っただけなんだけど。

そしてなぜか人生相談のようになり、自然と失恋旅行に関する話へ→旅行話が盛り上がる→ちょっと下見旅行行こうぜー!!→今に至る…という。私って結構流されやすい人なのかもな。


「ところで三蔵法師、お前漬物はちょっと匂うだろ」

「浅漬けですから匂いませんよー」

私が丸丸一本きゅうりをとりだしたので近藤さんは笑いながらそう言った。

『三蔵法師』、とある事件に巻き込まれた時、私は三蔵法師のコスプレをしていたため、屯所の方々はみな私を三蔵法師と呼ぶのであった(逆ハ―シリーズ『ぼろぼろTODAY』にて)。

「…お前が三蔵法師なら、俺は悟空か…」

ぼそりと近藤さんがつぶやいた。

「…そうなると、総悟とトシが八戒と悟浄ってところか…
 どっちがどっちだと思う?」

「じゃあ、八戒が土方さんで、悟浄が沖田さん」

きゅうりをかじりながら、インスピレーションで答えると、後ろの席に座っていた人が急に立ち上がって私の頭をガンッと殴ってきた。

「はーい、八戒ですどーも」

「お師匠様ー」

そこにいたのは普段着の八戒と悟浄…もとい土方さんと沖田さんだった。

「な、なんでここに…!」

驚いて呆然としていると、二人は気まずそうに眼を合わせて、

「えっ…いや、偶然」

「通りすがりでさァ」

「え?偶然で、通りすがり??」

そんなことってあるんだろうか。

「おお!二人も来てたのか!座れ座れ」

しかし、近藤さんは差して気にした様子もなく、うれしそうに二人を私たちの隣に座らせようとこちらに呼んだ。

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