第10章 ぼろぼろTODAY(銀魂・銀さん寄り逆ハ―)
ふたたび匍匐前進体勢で銀さんと進む。
「・・・・でもさ、銀さんといると私も狙われそうだよね。さっき別行動になっ
た時、土方さんと銀さんの方追いかけて行ったもんね」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
しばし沈黙。
「さ、さよなら~~。私サインボール見つかったんで逃げま~す」
「キムチ、トモダチの危機は己の危機だろ!」
「いつの間に、トモダチに」
銀さん、匍匐前進で俊敏に逃げ始めた私の足を掴んだ。
「は~な~せ~!元はと言えば、銀さんが自分の仕事に私を巻きこんだんじゃん!!」
「そのおかげで松蛇のサインボールみつかったんだろうが!」
「全然私の依頼なんか忘れてたくせに・・・ってぬおおお!」
ずるずるずると銀さんの真下に引きずりこまれた。
「いやだ~~!まだ死にたくな~~~い!!」
ぎゃあぎゃあ言っているとざばっという音が近くで聞こえ、
「うるせーって言ってんだよプンプンよォォォ!!」
土方さんが池から顔を出した。あまりにもうるさい蚊の鳴き声にブチギレたらしい。
「気が短いねぇ」
ぱちっとデコにとまった蚊を叩いた銀さん、そういいながらも青筋出てます。
「ああ?」
土方さん、銀さんにターゲットチェンジ。
ああ、そんなところで喧嘩してたらあいつがくるよ・・・!
ま、私は今のうちに逃げられるけど。
「キムチ、どう思う!?こいつのが人間的スケール小さいよな!?」
「三蔵法師、こいつの頭ん中にはアブほどの脳みそもねえだろ!??」
匍匐前進始めた私の両足を二人は同時に引っ張った。
・・・助けて、誰か。幽霊でも怪物でもいいからこの状況から逃げさせてくれ。