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銀色の夢(銀魂・ヘタリア短編夢)

第27章 RPG的なもの(逆ハー)


「どうしてこんなことになっちゃったなかな・・・」

辺りは大草原。

小さくつぶやいたその言葉は風のざわめきに消された。

辺り一面緑一色の草原を冷たい風が無遠慮に吹き抜けていく。

そんな中、ぼんやりと遠くを見ているとずっと向こうの方で何かが動いたように見えた。

(…モンスター?)

私は目を凝らしながらそちらへと歩いて行くと、どうやら白い鎧を着た重剣士のようだ。

『冒険者に気をつけろ』

不意に桂さんの言葉がよぎる。

それでも、もう少し、まだ大丈夫、そんな好奇心だか何だかわからない衝動が私の足をそちらへと向かわせる。

背の高い草むらを選びながら、随分近くまで来た。

(…あれ?私あの人知ってる、かも?)

鋼を張り合わせた鎧に鉄仮面をかぶった剣士にも関わらず、私の第六感がそう言っていた。

「俺が気付いてないとでも思ったのかィ?」

剣士はなんの前触れもなくこちらに体を向けながらそう言った。

「…沖田、さん?」

その声もあの姿も、沖田さんだ。

安堵と同時に強烈な不安がパニック状態へといざなう。

『冒険者には気をつけろ』

私は思わず一歩後ずさった。

しかし、その姿を見た沖田さんは、何かのスイッチが入ったらしく、急にこちらに向かって走り出した。

「おらあああああ三蔵法師ぃぃぃぃーーーー」

「ひぃいいいいいい来ないでぇぇぇ!!」

私は全速力で逃亡した。

幸か不幸か、彼は大剣を背負う剣士、私は逃げが得意のシーフであったため、逃げきることは容易であった。














「おい、総悟!お前もこのゲームで遊んでやがったのか。

三蔵法師もこのゲームに迷い込んだみてぇなんだが、お前見なかったか?」

草原を抜けた辺り、総悟は土方と合流していた。

「あ?」

総悟は不機嫌そうに土方を睨んで、また背を向けた。

「…一刻前に草原の真ん中で会いましたぜィ」

「おお。会ったのか!で、どこにいるんだ?」

「にげられやした。そーりゃ見事な逃げっぷりでな」

「…はぁ?」



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