第27章 RPG的なもの(逆ハー)
巨大都市『セルデン』
沖田さん(?)から逃げてきた後、私は悩みぬいた末、草原から見えていた都市にやってきた。
私はなるべく人目に触れぬように裏道を選んで歩いている。
これでは飢えもしのげない。
一体どうしたものか…と思って、建物と建物の間から見える曇天の空を、不安な気持ちを抑えようとして見上げた。
その時、気がついた。不穏な空気に。
路の前からも後ろからも規則正しい足音が、こちらに向かってどんどん近付いてきている。
「どうしよう、どうしよう…」
隠れるところも見当たらなくて、右往左往している間にも、足音はどんどんどんどん近付いてくる。
涙も出ない。
ただ鼓動の音が足音を消すくらいに聞こえてきて、頭がガンガンしてきた。