第27章 RPG的なもの(逆ハー)
ひゅ~~~~
私たちはまた落下している。
今度は水竜の喉あたりをだろうか。
「桂さ~~~ん!!!このまま落下したらどこ行くんですかねぇ~~~」
私は下でくるくる回って「15点」とか言っている桂さんに聞いた。
「順番的に言うなら、胃だろうな。そろそろ胃に到達するんじゃないだろうか」
そっか。
長細いから気付かなかった。
「でも、胃酸とかやばいんじゃないですか?」
「確かにそうだな。ふんぬ!!」
私の言葉に、桂さんは思いっきり両手両足を内壁に向かって伸ばした。
そうすると桂さんは急激に減速していったが、私は内壁には届かずそのまま桂さんの上に落ち、膝が思いっきり腰に入ってしまった。
「うぐぉぉ腰が…!想像してたけど…思った以上に腰が…!」
ごめんね。
しかし、桂さんもう一度奮起。発奮。
そして私を背に乗せたままゆっくり減速していき、…とまった。
「何も見えんな。亜貴、俺の背中にある杖をくわえさせてくれ」
その言葉通り、私は素早く桂さんの背から杖を抜き取りくわえさせると、炎の魔法で杖の先を明るくした。
しかしその明りだけでは上も下も何も見えなかった。
ただ、急に水竜がくるしげに動き出した。
「内側からの攻撃、効果あるのかも!」
私もナイフで応戦。
何度かやっているうちにナイフが刺さったので、それに桂さんがつかまって、私がその背につかまる形になった。…竜のくるしげな動きで手を着いていられないのもあったけど。
そして再び桂さんが炎の魔法を使った瞬間、水竜は煙となって消え、私たちは再び水の中へと落ちた。
「「ぶは」」
桂さんを助けながら水の中から顔を出せば、目の前には小さなおっさんが飛び回ってなんか歌って飛んでいた。
「妖精か!」
…え?それ突っ込み?