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魂喰 

第5章 −実技訓練、波乱の幕開け−


「私、マカ。こっちはソウルよ。で、あのお馬鹿がブラックスターでそのパートナーの椿ちゃん」

1人1人、指を指しながら教えてくれるマカ。
確かにこうして説明された方がわかりやすい・・・。
だって死神様は鏡の中なんだから。

『ありがとう』

少し微笑んで見せるとマカはとびっきりの笑顔で返してくれた。
まぁ、ブラックスターが視界の端で騒いでたから煩かったけどね。


「さて、と。んじゃ改めて今日の補習の説明をするよ〜ん」

死神様の声に全員が鏡を見る。

「今日、君達に受けてもらう内容なんだけど・・・もう噂で聞いてたりする?この前まで〝死武専〟の教師だったシド先生の話。ゾンビ化して生徒を襲ってるって話をさ」

「え・・・?結構良い先生だったのに・・・」

マカが不思議そうに言うと隣のソウルがほら、と声に出す。
なるほど。本当に噂として出回っている話なのか。

「確かに生前は渋めのいい先生だったんだけどね。ゾンビになって〝死の恐怖〟から解放されて生徒に自分と同じ経験をさせてやるって言ってさぁ・・・。生徒を襲う傍迷惑で自己満足な授業を繰り広げちゃってるワケ。しかもシド先生をゾンビ化させた何者かが裏で手を引いているのは確かだね」

そこまで死神様が言い切るとブラックスターが目を輝かせる。

「OK、任せろよダンナ!!要するにそいつらの魂をとってくりゃいいんだな?!」

「はい、そゆこと。別に脅すわけじゃないけど、もしこの補習落とす様な事があったら・・・・・みんな仲良く退学ね♪」

「「エエ?!!!!」」

「ほんじゃ、まぁ・・・ガンバッちに〜。あ、勿論サンちゃんとミオちゃんは関係無いから気ままに見学して頂戴」

ヒラヒラと呑気に手を振る死神様とは対照的に、分かりやすく愕然をするソウルとマカ。
まるで真っ白になって消えそう。

なんかこの2組、正反対だな。なんて思っていると困った顔のミオと目が合う。

『大丈夫、アタシらは見学。ね?』

『・・・・うん』

よしよしとミオの頭を撫でながら、ふらついた足取りのマカ達の後ろを歩き出す。

シド先生って、どんな人だったんだろ。
ゾンビ化なんて聞いたら喜んで手を貸してそうな人物が思い浮かぶけど・・・。うーん、考えるのやめよ。
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