第5章 −実技訓練、波乱の幕開け−
この間と同じく生徒は殆ど居らず、こちらを気にする者も居なかった。
何処だっけ?なんて考えていたらアタシよりミオの方が覚えていたらしく先導する様に歩いてくれた。
『着いたね〜』
death roomと看板が掛けられた大扉。
『確かシュタインはこうやって・・・』
思い返しながら大扉を叩き重苦しい音を立てる扉を開いた。
改めて趣味が悪いなと内心ぼやきながらギロチンの門をくぐり先へと進む。
「あー、きた来た♪」
声のした方を見ると鏡から声を掛けてくる死神様の声、そして・・・
「死神様、あの人達ですか?」
ツインテールの気の強そうな女の子と
「へっ!俺様のBIGさに驚いてやがるな?!」
生意気そうな男の子。
この2人が職人、なのだろうか。
敵意は無いもののシュタインに似た気配を感じる。
ふと服の裾を掴まれた気がして見ると、知らない人がいるからかミオがアタシの後ろにぴったりとくっついていた。
「おいでおいで〜」
死神様に手招きされて近付くと少し離れた所にヘアバンドをした男の子と髪の長い女の子が立っていた。
「俺様のオーラに驚いて顔も見られねェんだな?分かるぜ!何たって俺は・・・」
「ちょっと、ブラックスター!怯えてるじゃない。やめなさいよ」
「マカちゃんの言う通りだよ〜?これ以上騒ぐと死神チョップするけど、いいのかなぁ?」
一気に静かになるその場。
ゴホンと咳払いをすると死神様はアタシ達を差した。
「さっきも言ったけど、君達の補習見学者のサンちゃんとミオちゃん。色んな事情があるからあんまり突っ込んで質問しないでね〜」
死神様の牽制に4人から不満そうな表情が見えたが、静かなままだった。
そんなに怖いんだろうか?死神チョップというのは・・・
「で、こっちの4人が言ってた2人組。マカちゃんとソウル君の魔鎌ペアと、ブラックスターと椿ちゃんの魔暗器ペア」
どうやらツインテールの女の子とヘアバンドをした男の子がペアの様。
同性同士じゃないんだ、と少し驚いた。
『よろしく』
一言だけ告げるとツインテールの女の子がアタシを上から下までじっくりと見る。何だが居心地が悪い様な気がして少し眉間にシワを寄せると女の子は直ぐ様ごめんごめんと謝ってきた。