第5章 体育祭!!
この時ばかりは心から笑う事が出来た
あの意味不明なやり取りから逃れることが出来たのだから嬉しくて仕方ない
今夜は赤飯にしよう
《2位は1年C組糸仲 充希!!
華麗に3人をスルーしては1位の次にたどり着いた普通科女子だあ!!
残念だったな3人とも!元気だしてまた次に挑めよ?!
にしてもやっぱり充希は可愛いなぁ!良かったら俺の嫁に…!》
《よしマイク、ちょっと来いや》
《お、おい冗談だよ冗談、ユーモアだってば!!
おいおいおい!!おいイレイザーヘッ……!
ぎゃあああああああああ!!!》
……………………………………
《えー、3位は爆豪と轟、4位は猿飛》
謎の失踪を遂げたマイクさんに代わり、相澤先生がさっきのやり取りはどうしたのかと言いたくなるほどのやる気の無さそうな声でアナウンスする
それに緑谷君と顔を見合わせた
「……無事だよね…」
「ま、まあ…マイク先生ならきっと大丈夫だよ!」
そういうものの、緑谷君の顔からはやはり不安も残っている
(……まいっか)
ちょっと可哀想だけど、あの人なら地の果てからでも這い上がってくるだろう
「あ、そうだ」
「どうしたの?」
「ちょっとあの人達を処さなきゃいけないんですよ
申し訳ありませんが、先に戻っててください緑谷さん」
「え?……う、うん………」
緑谷君はそう言いつつも、その場から動かない
それどころかどこか悲しそうな顔をしてこちらを見てくる
が、今は彼に構ってる暇はない
「とーどーろーきーさーん?」
「い、糸仲…」
「はい、糸仲でーす
お馬鹿三人衆に振り回された可哀想な糸仲でーす」
「す、すまない…つい、乗りで……」
「肉じゃがならいつでも作りますけど私は誰の妻にもなりませんよ」
そう言うと、轟君はシュンとなった
(……可愛い)
なんだか頭に垂れた犬耳のようなものが付いてそうで、幻覚なのだろうがそう感じずにはいられなかった
(あの耳撫でたいっ!)
「…轟さん、ちょっと撫でさせてもらっても良いですか?」
「ん?撫で…?」